Lifestyle

繊細で美しく、深く刺さる言葉で “女が生きる”ということを考える作品

2017/11/03 12:04


松雪泰子

171103_oedo_interview01取材・文/高木明日美(サンケイリビング新聞社)、撮影/舞山秀一、ヘアメイク/石田絵里子(airnotes)、スタイリスト/安野ともこ(コラソン)、衣装協力/Hanae Mori manuscrit、NAGI NAKAJIMA

36歳の若さで自らの人生の幕を閉じたカナダ生まれの女性作家、ネリー・アルカン。舞台「この熱き私の激情」は、ほぼ自叙伝ともいわれた彼女の小説をコラージュし、幻想、家族、運命、信仰、孤独など、ネリーのさまざまな側面を表現する。松雪泰子さんが演じるのは「影の部屋の女」。人生を終わらせようと決意し、死について語る。
「人生の最後の部分を表現するので、すべての感情を持っていたいと思っています。ネリーの内面的な世界、生き方、怒り、痛み、そして、なぜ死を選んだのか。深く考察すればするほど苦しい。基になった小説の一つ『ピュタン』を読んだときは、あまりに苦しくて読み進めることができなくなったこともありました。それほど言葉が鮮明で深く突き刺さる。自分の中にある痛みと、彼女の痛みが共鳴するときに苦しくなるんだと思います。自分自身の内面の闇が、わき上がってくる感覚でした」
ネリーが感じた生きづらさは、女性なら経験したことがあるようなエピソードも多い。「男性社会の中での、女性の見られ方、立ち位置などで傷ついた瞬間があったんだと思います。その瞬間の苦悩を、強さ、もろさ、怒り、悲しみ、憎悪、本当は死にたくない、だけど生きることもできない…そんな思いが複雑に交錯した混乱を表現したいです」
出演者は演出家のマリー・ブラッサールさんと1対1でディスカッションをし、役作りしている。「すごく濃密な時間で、マリーさんは、演者はアーティストで、全員でクリエーションしていくとおっしゃっています。一つの作品になったとき、見た方がどう感じてくださるのか楽しみです。それぞれの部屋の、ネリーの側面を表現した言葉が本当に美しい。突き刺さるものがたくさんあり、“女が生きる”ことをすごく考える作品だと思います」

171103_oedo_interview02

舞台「この熱き私の激情」は、11/4(土)〜19(日)天王洲 銀河劇場で公演

PROFILE
1972年、佐賀県生まれ。1991年、ドラマ「熱血!新入社員宣言」で女優デビュー。ドラマ「白鳥麗子でございます!」「救命病棟24時」、映画「フラガール」「容疑者Xの献身」、舞台など多岐にわたり活躍。映画「鋼の錬金術師」が12/1(金)公開。来春スタートのNHK朝の連続テレビ小説「半分、青い。」にヒロインの母役で出演予定